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2023.11.15

ひとはり日記 2023.11.15

 

先日ニュースで木枯らし1号が吹いたと言っていました。

 

秋の終わり頃になると、なぜかしら室生犀星の小景異情が頭をよぎります。

私の故郷が遠くにあったことも、

成すべきことを成すまでは帰るまじ…

というようなことを思ったこともない軟弱者でございますが、

学生の頃からこの詩が大変好きでした。

そして、この詩を心の中で詠みますと母から聞いた彼女の住み込み時代のことを思い出します。

 

以前にも少し申しましたが、

母は若い頃、東京で和裁の仕立を習っておりました。

そこには東北地方からも沢山の方がおいでだったそうです。

住み込み一年目の立場では頻繁にご実家へ電話をすることも叶わないらしく、

母の友人だったその方は、休みが取れると母を誘って上野駅に行かれたそうです。

上野駅にお土地のお言葉を聞きに行かれていたのだそうです。

半日ほどじっとそれをお聞きになられた後、

高架下で大声で流行歌を歌って寂しい気持ちをやり過ごされていたと聞きました。

 

その間あなたは何をしていたのと聞きますと、

「することないもの。静かにじっと付き合っていたのよ」と申しておりました。

ご友人の方の気持ちの収めようも、静かに付き合う母のこともひっくるめていい話だなと思いました。

若い頃の母は、

映画の「エイリアン」でパーマを当てていたころのシガニー・ウィーバーに似ているように感じます。

シガニー・ウィーバーが静かにじっと付き合っていたのかと思うと少し可笑しくて母にそう申しましたら、

若い頃は沢田研二に似ていると言われていたのよと言われました。

どちらにしても可笑しいです。

 

 

11月も半分すぎますと、年の瀬を意識します。

ゆっくり時間が出来たら何を刺そうかな…、

いい加減パイピングと向き合わなくちゃな…、

来年の箱根駅伝、早稲田はどうだろうか…、

黒豆を練習がてら一度炊いておこうかな…、

実家の手伝いの目途がつくのなら、名古屋の展示会に行ってみたいな…、

年末は私が各年で高熱をだすんだよな、去年は出さなかったから今年かな…、

などとお風呂の中でそのようなことをつらつらと考えていると眠ってしまいそうになります。

 

しかし現実は、年の瀬よりも手前にあります。

来月初めの師範講習会までに宿題を仕上げなくては…。

ちなみに、先日のひとはりワークショップのお花、お稽古時間内に完成致しました!

刺すことは未熟ながらも毎日しておりますが、組み立てるとなると初めてのことで四苦八苦致しました。

どうするといい形に見えるのかが掴めず難儀致しました。でも本当に楽しかったです。

愚作ですが、実際よりも素敵に見えるように撮影していただきました💦

これも経験。立体刺繍も数をこなしていつか素敵なリースや松飾を作りたいなと思います。

 

 

来年のカレンダー・手帳はお買い求めいただけましたでしょうか。

2024年戸塚刺しゅうカレンダー 花の刺しゅう絵 いのちあるものからの贈り物2024年花の手帳 Design by 星燈社

可愛らしいメモ帳も出ております。よろしければ年の瀬のご挨拶にご利用くださいませ。

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