刺しゅうの基礎
刺しゅうの手引き
TOTSUKA Embroidery -Manual-
刺しゅう糸について
刺しゅう糸は25番の糸と5番の糸が一般的によく使われます。どちらも素材は綿100%です。
それぞれの糸の特徴は・・・
【25番刺しゅう糸】
一束で8mの長さがあり、細い糸6本がゆるく合わせられた糸です。「2本どり」、「3本どり」などのように、この細い糸を1本ずつ引き出して、使用する本数に合わせて使います。
【5番刺しゅう糸】
よりのある1本の太い糸で、22.5mの長さがあります。
針について
刺しゅう糸の針は大きめにあいているのが特徴ですが、先のとがったフランス針と、先が丸いクロス針が最もよく使われます。
また、針の大きさと長さにより号数で分けられていますので、刺しゅう布の素材や、糸の本数などに合わせて針を使い分けましょう。
【糸と針の関係】
フランス針 | クロス針 |
---|---|
1~2本どり・・・5号 | 1~2本どり・・・24号 |
3~4本どり・・・4号 | 6~10本どり・・・20号 |
6~8本どり・・・2号 | 12~18本どり・・・16号 |
布について
刺しゅうは身近にある布ならばたいていのものに刺すことができますが、一般的には木綿や麻などが刺しやすいでしょう。
また刺しゅう用布として、「オックスフォード」や「ジャバクロス」など、刺しゅう用として織られた布も多数揃っていますので、用途や目的に合わせて選びましょう。
その他の用具について
刺しゅうに必要な用具がいくつかあります。
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【刺しゅう枠】
布を枠にはめた方が布が張って刺しやすくなります。円形のものが一般的で、いろいろな大きさがありますが、直径8~12cmの枠が使いやすでしょう。
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【はさみ】
刺しゅう糸を切るはさみと、布を裁断する裁ちばさみとが必要になります。刺しゅう糸を切るはさみは、先のとがった良く切れるものを選びましょう。
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【図案を布に写すための用具】
鉛筆・定規・トレーシングペーパー・刺しゅう用コピーペーパー(複合紙)・セロハン紙・まち針・骨筆あるいは鉄筆(インクの無くなったボールペンでも良い)
この他、アイロン、しつけ糸、セロハンテープなど、家庭で使っているものの中から利用してください。
図案の写し方
図案を布に写すときは、手芸用コピーペーパー(複写紙)を使って転写します。
糸の扱い方
25番の糸は一束で8mの長さがあるので、最初に8等分に切っておくと扱いやすいでしょう。
まず、上下の紙帯を取り、糸の両端を右手で持ち、糸の束を輪にして左の手首にかけます。
そして手首をまわしながら糸の輪をほどきます。こうすると糸は2等分になり、この両端を合わせて4等分、さらにその両端を合わせて8等分にします。
そこで、両側の輪になった糸を切ります。
最後に、色番号の紙帯を通しておくと便利です。使用するときは、細い糸を1本ずつ抜き取って使用本数分だけ合わせて使います。
糸の針への通し方
刺しゅう糸を針へ通すときには、糸の先を針を利用してふたつに折り、折りぐせをつけてから、そこへ針穴をを押し込むようにして通します。 慣れると簡単に素早くできる糸の通し方です。
刺し始めと刺し終わりの糸の始末
刺し始め、刺し終わりとも、玉結びはつくりません。
糸の始末の一例としては、刺し始めは布の裏に糸を7~8cm残して、ステッチをはじめます。
ステッチができたら裏に糸を出し、最後の針目の糸をすくい、同じように4~5回針目をくぐらせてから糸を切ります。
最初に残した糸にも針を通して、刺し終わりと同じように針目に糸をくぐらせてから糸を切ります。
刺しはじめ
刺し終わり