戸塚刺しゅう協会

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2023.10.04

ひとはり日記 2023.10.4

 

何かを生み出そうとするときに、その孤独を人で埋めようとしてはいけない…と先日読んでいた本に書いてありました。

バイオレンスな小説を読んでおりましたのに、お説教を頂くことになろうとは。

驚きました。

 

先生に相談せず作品に向き合おうとすれば、刺せば刺すほどに行き詰まります。

自分のステッチの組み合わせの甘さや、奥行きを出す配色の難しさを痛感致します。

これほど何度も糸をほどいていは、布が傷んでしまう…。

先生にお教えいただきたいなと携帯電話を手にしたくなることばかりです。

そのような中で目にした一節でしたので、ずしんと響きました。

 

人で埋めてはいけないのなら自然に頼ろうと、少し前から一人でハイキングに出ております。

先日は、JR神戸駅からすぐの「布引の滝」を見て、

そこからもう少し歩いて貯水池へ、

そのまま森林植物園に向かおうと思いましたが、崖が崩れいているとのことで引き返しました。

気を取り直し摩耶山へ向かおうと、天狗道などと楽しい名前の道にたどり着いたところで、足をピキッとしてしまいました。

初心者は休憩の取り方も分からないのです。

どこかにはたどり着きたいなと思い、足を引きずりながら、ハーブ園に行ってまいりました。

 

 

山に入ると、どういうわけかニコニコと心が弾んで止まりません。

普段は、いろいろと頭に浮かんでしまうことを「答えが出ないなら考えない」と断ち切っているのですが、

山の中を歩いている間は好き放題に思いを巡らせます。

自分勝手に好きなように、

嫌なものは嫌だと、

残念ながら私はこの程度でございます、

あっかんべー、

と心の内で呟きながら歩いております。

 

そのような心持ですのに、ニコニコと表情が緩んで治まりません。

私は山の中が好きなのかもしれません。

紅葉の頃に六甲のお山…と思っていましたが、私の体力では来年になりそうです。

山歩きが好きな学生時代の先輩・友人に申しましたら、

山は逃げないから急がなくていいよと言われました。

そうです。私は細胞レベルでせっかちなのです。

しばらくは、ハイキング程度の山歩きを楽しもうと思います。

 

先日からの行程は2時間にも満たないくらいなので、家に帰りつきましてもまだ昼過ぎです。

ですから、夕飯づくりの前に刺繍と向き合えます。

自然に心を埋めてもらったなら、サクサク進むのかというとそのようなことはありません。

ですが、楽しかったなと思えることが、行き詰まった気持ちをほぐしてくれるようです。

 

 

明日は、ひとはりワークショップの立体刺繍に参加します。

師範講習会ではなかなか思うような花弁を作り上げられませんでしたので、今度こそ…!

そして、お昼休みに行き詰まった箇所を先生にご相談させて頂こうと思います♪

今の有難い環境に、励ましお教えくださる先生に、心から感謝です。

 

少し気温差が出てまいりました。

皆様どうぞお自愛くださいませ。