2023.04.27
ひとはり日記 2023.4.27
先日ちらりと娘の漢字のプリントが目に入りました。
学生時代、国語は得意だったのですが漢字の書き取りから離れて数十年、
お手紙を書く機会も減った今、どの程度書けるものか挑戦致しました。
「さんぞく」
「あいがん」
「ろぼう」
「ひれつ」
「くうきょ」
「ぎわく」
「しんく」
「とうそう」
「くるう」
「しょうがい」
「しんろう」
「いのちごい」
「あざむく」
「ごうう」
「うらみ」
「こぶし」
いったいどのような物語を習ったら、これらの漢字を習得することになるのでしょう。
並ぶ漢字が不思議なほどに暗いのです。
………。
「『山賊が待ち伏せしていたので、助けてくれと哀願したところ、卑劣極まりない彼らは、身ぐるみはいでいったのです。
路傍の石のように誰にも顧みてもらえず、空虚感に満たされ、
道行く人みな山賊の仲間ではないかと疑惑の目で眺め続けておりますと…』
ってそんな雰囲気のお話が教科書に載っているの?」
と娘に聞きますと、
英単語帳とにらめっこしていた彼女は、私を気遣うような優しい声で
「今日は忙しい日にするのではなかったの?」と言ってきました。
仰る通り。
私にはすべきことがあるのでした。
この春から師範研究会に参加させて頂いております。
先日初回を受講させて頂きました。
お稽古の中では断トツの未熟者でございますので、ご一緒させて頂いた先生方にはご迷惑をおかけしたことと存じます。
ですが、大変に楽しかったです。緊張するということも心地いいものだと改めて感じました。
ハーダンガーと向き合うのは久しぶりのことでして、せっかくなので後半の自由に進める時間はハーダンガー刺繍をすることに致しました。
自分で図案を考えるのは初めてのことで、理解が遅く、同じ質問を何度もしてしまいました。
情けないなと思いつつも、
「私には伸び代しかない…!はじめはみんな初心者…!」
と心の内で繰り返し受講しておりました。
上級認定を頂いて数年、認定用パイピングを大切に大切に箪笥の肥やしにし続けております。
上級認定を頂いた後、親先生から引き続き頑張ろうねと仰って頂いていたことを思い出し、このままではいけないなと思い直しました。
そして、研究会の帰宅後、娘に「普段のお稽古も検定も講習もどれも頑張る。言い訳しない。」と宣言していたのです。
そうです。娘の漢字プリントに関わっている場合ではないのです。
忙しい日にするはずだったのです。
「卑劣」「欺く」「拳」が書けなかったことに心を煩わせている暇はないのです。
娘が習う教科書にどのような話が載っているのかなど、どうだってよろしい。
コトコトコットンのアジュールも次のお稽古までに宿題を進め、
検定とも向き合い、
師範講習会ですると決めたハーダンガー刺しゅうも少しずつ取り組み、
黄砂で汚れたベランダを掃除し、
足りないといわれている洗剤やらの類を買いに出かけ、
大嫌いだからと一週間ため込んだアイロンがけをし、
リンパが流れる体操をし…。
ぼんやりしている場合ではありませんでした。
はじめてのことに参加することは緊張もしますが、楽しいものです。
そういえば昔読み聞かせた本に、ドキドキきつねさんがウキウキきつねさんに変わるお話がありました。
先日の私はちょうどそのような心地でございました。
ありがとうございました。