戸塚刺しゅう協会

戸塚刺しゅうへのお問い合わせはお気軽に

2023.03.01

ひとはり日記 2023.3.1

この冬も沢山のおみかんとおりんごをいただきました。

 

おりんごといえば、

皆様の中で「月夜野りんご」というおりんごをご存知の方はいらっしゃいますでしょうか。

今日はその月夜野りんごの思い出話です。

 

あれは小学1年生の頃だったか、もう少し小さい頃だったか…。

どなたかからその月夜野りんごを頂いたのです。

 

母に、

「今おいでのお客様に差し上げるから、あなた持っていける?」と言われました。

安易にうなずきますと、

膝をついて私の目をのぞき込み、

「『イタダキモノノ ツキヨノリンゴデス。オニモツデスケレド オモチカエリクダサイ』これだけ。言える?」というのです。

私が幼い頃母は本当に忙しくて、じっくりと私に話しかけることなどお説教以外ではなかったのですが、

この時はどうしてだったのか、実に丁寧に教えられました。

今でも台所の入り口で膝をついた母の姿を思い出せるほどに凄く珍しいことで、当時の私はたいそう驚きました。

いい所を見せたいのですが、嬉しい気持ちが勝って少しも上手に言えないのです。

「ツキヨヨ…、ツキヨノノ…、…」といった具合で、本当にとろこいところのある子供でした。

忙しい家にどうしてこういうタイプが生まれてしまったのか、両親に心から同情します(笑)。

何度も母の前で練習をし、お客様にお持ちしました。

 

役目を果たしました後、おりんごを切り分けてもらいましたら、

ぎっしりと蜜が詰まった、それは美味しいおりんごでした。

月夜野りんごをいただいたのはその一度きりですが、温かな記憶と一緒に、美味しかった味を思い出します。

 

そんな私が娘に教えていることはと言いますと、

「苺は見て楽しむもの、桃は仏さまにお供えするもの、マスカットはおじいちゃんから頂くもの」。と、なんとも味気ないものです。

彼女が幼い頃、苺の可愛い色形・香りからか物凄く欲しがるもので何度も買っていたのです。

が、彼女は苺の下の一番甘い部分を一口かじっては「どーじょ」と私によこすので、

あまりにももったいなく、さりとて自分のためと思いきるには高価に感じ、買うことをやめにしたのです。

それを伝えるために言い始めたことでした。

さすがに今はそのようなことを申しませんが、娘からは、

「よくもまぁそんな不思議な教えをくれたものよね。」と失笑されています。

いつか娘も苺を見ると、家計のやりくりを感じさせない偉大な私の言葉を思い出してくれるかもしれません…。

 

さて、その「苺は見て楽しむもの」という話。

花と果物のクロスステッチ3」にはおしゃれな苺の図案が何点か載っており、他にもいろいろの果物や、ハーブ・お花が掲載されています。

図案の大きさも様々でとても素敵です。

 

 

書籍の中の何点かがキットになって手芸量販店で販売されます。

このキットは戸塚刺しゅうオンラインショップや戸塚刺しゅうの店舗での取り扱いはありませんので、お手数ですが、ぜひお近くの手芸量販店でお買い求めくださいませ。

 

クロスステッチがお好きな方はぜひ、チェックしてみてください。

何かご質問等ございましたら、下記までご連絡くださいませ。

【西宮メイクショップ】

TEL0798360034

FAX0798360603

戸塚刺しゅうオンラインショップ https://totsuka-shisyu.shop/

 

【東京教室】

TEL0332672150

FAX0332674963