2024.04.17
ひとはり日記 2024.4.17
少し前になりますが、モネを見に行ってまいりました。
恥ずかしながら絵を見て心を動かされるという体験をしたことがないもので、
自分の大切なお金を使って絵を鑑賞しようという思いが湧いてきたことがありませんでした。
母や下の兄は一つの絵を見るために遠方まで足を向けるなどと高尚なことをしていたようでしたが、
私は鑑賞の仕方が分からないと言い続けてまいりました。
けれど、いつもと違うことをする必要があるように感じ、えいっ!とチケットを購入したのです。
大阪は都会でした。
私でも分かるような名だたる会社が並んでおりその建物の偉容に圧倒されました。
整然とした大きな道にも、お洒落な方々の醸し出す雰囲気にも飲み込まれました。
向こうも私を呼んでいないのでしょうけれど、
私は都会には住めそうもない、そう感じました。
話を戻します。
モネを見に行ったのです。
初めて印象派というものに触れました時は、
眼鏡をかけているのに眼鏡をはずして見た世界…、という程度のことしか感じることが出来ない乏しい感性でございました。
有名な絵が何なのか一切分かっておりませんし、
この展示の推しどころがどこなのか、
知っておこうとも理解したいとも思っておりませんでしたが、
沢山の色を使っているのを見られたらいいなとそのような思いでございました。
綺麗な景色を作るのに、汚い色をいい具合に混ぜ合わせたい…。
私の頭の中はこればかりです。
先生は、「私は汚い色を使うからね~」と仰りながらぱっぱっと糸番号をご指示下さり、
それが差し色になって、奥行きが出て、見えていた色がどんどん変わっていき、
まるで魔法使いのようだと惚れ惚れしておりました。
そのとっかかりが掴めたらなと思ったのです。
残念ながら、私にはほとんど何も分かりませんでした。
日の当たる明るい海の影が青かったこと、
明るい緑の原っぱの影も青かったこと、
暗い岩場の影もブルーグレーだったこと、青って大事なのだろうかなということだけ分かりました。
実際の景色にたくさん触れた方がいいのでしょうか。
ゴールは果てしなく遠いです。
ご連絡事です。
5月の連休明け、弊社取扱いのツバイガルトの生地が値上がりします。
針と糸があれば自由に楽しめる刺しゅうの世界ですが、
生地やら糸やらが値上がりしますと、どんどん高級な趣味になってしまいますね。
それでも止められません。
うまく行かずほどくことも多いですが、
糸ケースを広げて、布に枠をはめ、
糸のよれを整え、糸を通したら、もう私の大好きな時間です。
今夜は立体刺繍の花弁を作ろうと思います。
皆様もどうぞ刺繍時間をお楽しみくださいませ。